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頭金ゼロで買うのは危険?それとも賢い?

不動産コラム

こんにちは、コヴァエステートです。
住宅価格が上がり続けるなか、「頭金ゼロでも家が買える」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

実際、金融機関によっては頭金ゼロ(フルローン)で購入できる住宅ローンも増えています。
とはいえ、「本当に大丈夫?」「リスクはないの?」と不安に感じるのも当然です。

この記事では、頭金を入れないで購入するメリットと注意点を整理し、今の時代に合った賢いローン戦略を解説します。


1. 「頭金ゼロ」で家を買う人が増えている理由

手元資金を温存したい若年層が増加

近年は、20代・30代の若い世代を中心に「貯蓄はあるけれど、頭金に使わない」という選択をする人が増えています。
背景には、生活防衛資金を残しておきたいという考え方があります。
教育費・車購入・子育てなど、これからの支出を見据え、「あえて頭金ゼロでスタート」するのです。

住宅ローン金利が低水準で推移

金利が1%前後の超低金利環境では、頭金を入れても利息の差が小さく、資金を他の運用や生活費に回す方が合理的という考えも広がっています。
昔のように「頭金を2割入れないとローンが組めない」時代ではなくなりました。


2. 頭金ゼロのメリット

メリット①:貯金を崩さずに購入できる

頭金ゼロなら、貯金を手元に残したまま住宅を購入できます。
急な出費や将来の教育費・車の買い替えなどに対応できる安心感があります。

メリット②:購入タイミングを早められる

頭金を貯めるまで数年待つよりも、今の低金利を活かして早めに購入した方が、結果的に総支払額を抑えられるケースもあります。

メリット③:資金を「投資」や「運用」に回せる

住宅ローン金利が低い分、余剰資金を投資・貯蓄・教育資金として運用することで、家計全体のバランスを取ることも可能です。


3. 頭金ゼロの注意点(デメリット)

デメリット①:ローン審査がやや厳しくなる

頭金を入れない=借入額が増えるため、**返済負担率(返済額/年収)**が上がります。
銀行によっては審査が通りにくくなる場合もあるため、事前に複数行を比較しましょう。

デメリット②:総支払額(利息)が増える

同じ金利でも、借入額が大きい分、支払う利息が多くなります。
また、物件価格の100%+諸費用分を借りる「オーバーローン」になると、返済総額はさらに増えます。

デメリット③:売却時に「ローン残高>売却価格」になるリスク

購入後すぐに売却が必要になった場合、頭金ゼロだと**ローン残高が物件価格を上回る(オーバーローン)**可能性が高まります。
短期的な転勤やライフプランの変化にも注意が必要です。


4. 【シミュレーション】頭金あり/なしでどう変わる?

条件:借入3,500万円・金利1.0%・返済期間35年・ボーナス返済なし

パターン 頭金 借入額 月々返済額 総支払額
頭金あり(500万円) 500万円 3,000万円 約 84,800円 約 3,557万円
頭金ゼロ 0円 3,500万円 約 98,900円 約 4,155万円

ポイント

  • 月々の返済差:約1.4万円
  • 総支払額の差:約60万円(利息分)
  • 「頭金ゼロ」でも支払総額の差は大きくないが、毎月の余裕とリスク許容度が重要。

5. 「頭金ゼロ」で買うなら押さえたいポイント

① 物件価格の“上限”を決めておく

借入できる額ではなく、「無理なく返せる額」を基準に。
家計全体で返済比率25〜30%以内に抑えるのが目安です。

② 諸費用ローンを避ける

登記費用・保険料・仲介手数料などの諸費用まで借りると、オーバーローン化しやすくなります。
できるだけ現金で準備しておくと安心です。

③ 将来の繰上げ返済を前提に

頭金ゼロで始めても、数年後に繰上げ返済を行えば支払総額を大幅に減らせます。
「今は貯金を残して、あとで一気に返す」という発想が有効です。


まとめ

頭金ゼロでも“計画的”なら賢い選択

頭金ゼロ=危険、というのは昔の常識です。
低金利時代の今は、「手元資金を残し、計画的に繰上げ返済をする」という戦略も十分に合理的。

ただし、無理な借入・オーバーローンだけは避けることが大切です。
購入後も安心して暮らせるよう、月々の支出バランスと将来のライフイベントを見据えたローン設計を心がけましょう。